映画業界について

華々しさの目立つ映画業界

平成30年は是枝監督作品の「万引き家族」が、フランスの映画祭で最高賞に位置づけられるパルムドールを受賞する快挙を成し遂げて大きな話題となりました。
このような映画業界ですが、出来上がって上映に至るまでの仕組みはあまり話題に上る事はありません。
ここでは映画業界の仕組みや現状、将来を考えてみたいと思いますので、将来この業界に進みたいと思う方は参考にしてください。

3つの分野に分かれる業界構造

一連の業務内容を大きく分類すると、映画制作、配給、興行という3段階の部門で構成されています。

制作業務は作品を企画し、その資金と制作・出演双方のスタッフを集めて作品にまとめ上げます。
次に、配給業務は上映してもらえるシアターを確保して、各種メディアを通して映画を宣伝し、興行業務はシアターを運営します。

邦画のケースでは、一般的に東宝など大手映画会社が製作から興行に至るまでの全てを自社独自で実施します。
一方の洋画では、国外の映画会社が系列として有する配給会社をとおして公開する場合と、国内大手映画会社の配給部門が作品を直接買い付けて興行する場合の2通りがあります。

なお、映画業界では「制作」と「製作」を明確に使い分けており、作品が完成するまでのそれぞれのプロセスを「制作」、企画から興行までのすべてのプロセスを「製作」と呼んでいます。
国内で大手映画会社という場合、東宝、東映、松竹の3社を呼ぶことが一般的で、特に東宝はリーダーとして業界をけん引します。

多様化する映画企画と資金調達手段

従来の映画製作は、1社が独自に企画と資金調達を行うのが一般的でしたが、近年はそれが変化してきました。
製作費用が高額となったことに加え、コンピューター技術の発達やアニメの実写化といった企画立案の多様化もあり、いくつかの会社が資金を出し合う製作委員会方式が主流となってきているのです。

このような場合では、原作の権利を所有するTV局や出版社などが資金を出し合い、製作委員会を組んで製作する方法がベストなのです。
最近は、広告や資金力でアドバンテージを持つTV局が関与するケースが多くなっています。

業界の将来に影響を与える政府支援

平成14年に小泉内閣が打ち出した知的財産の創出や保護に対する戦略で、政府を挙げて芸術や文化等の無形財産に力を入れる姿勢が明確とされました。
それに伴って、様々なサポート政策が実施されています。
前述の「万引き家族」に対しても国の助成金が支出されています。

また平成26年に「君の名は。」がヒットしたように、宮崎駿監督に代わる時代も来つつあると言えるでしょう。

ただ不安材料もあり、近年は製作委員会方式が採られることが多いのですが、具体的にはTV局などをトップとして、その下に下請け企業がピラミッド状に下支えしています。
多くの下請け企業にとり厳しい経営環境となり、ゲーム業界をはじめ他の業界へ人材が流失したり、拠点がコストの安い海外に移転したりするケースも増えているのです。

投稿者: SLjap7uK